
“人の価値”を解き放つ─現場とともに育てた結婚式準備のサポートアプリ
『結婚式の準備をもっと楽しく、簡単に』を追求して自社開発された準備サポートアプリ『WEDOPLAY(ウィードゥプレイ)』。効率化の先にあるのは、人が向き合う価値ある時間を生み出すこと。その開発を支えたのは、現場の前向きな姿勢でした。システムと人、その両輪で挑んだアプリ開発プロジェクトの過程を紐解きます。


目指すは効率化を超える“構造改革”

—どのようにWEDOPLAYの開発が始動したのか、原点を教えてください。
飯田さん:沖縄での結婚式は、事前に遠隔で準備を進め、当日に現地へお越しになるお客様がほとんどです。
これまで私たちは、対面での打合せを重ねながら信頼関係を築き、お客様の想いに寄り添うスタイルを大切にしてきました。
しかし、同じ方法をそのまま沖縄で実現することは難しく、この地で結婚式を挙げたいと願うお客様にとって、最適な体験とは言えないのではないかと考えました。
だからこそ、場所にとらわれず、お客様に安心して準備を進めていただける形へ—準備のあり方そのものを見直す必要があったのです。
そこで生まれたのが、お客様ご自身が主体となり、楽しみながら結婚式の準備を進めていける新しい仕組みでした。
—どのようなことを大切にして開発されたのでしょうか?
飯田さん:いちばん大事にしていたのは、お客様がご自身のペースで楽しみながら結婚式の準備を進められることでした。統計によると、結婚式をしない、あるいはしなかった 理由として、4人に1人『準備が面倒なこと』を挙げています。そこで、お客様がスマートフォン上で、結婚式のアイテムや検討事項ごとに提示される“ミッション”をクリアしながら準備を進められる、ゲーム感覚の仕組みとビジュアルを追求していくことにしました。

—ここが準備のあり方を大きく変えるポイントだったのですね。
飯田さん:従来はプランナーが対面でご説明していた内容を、お客様ご自身で楽しく体験できる形にしました。ゲーム感覚で一つひとつ進めていくうちに、自然と結婚式の準備も進んでいく。一方でプランナーは『説明』に充てていた時間が減った分、お客様一人ひとりの想いや背景にしっかりと向き合い、より本質的なご要望を引き出せるようになりました。
一方通行にしない開発─現場とともにつくる文化

—プロジェクトを進める上で特に大切にしていたことを教えてください。
飯田さん:お客様に一番近い現場スタッフの意向を大切にしたかったため、本社が一方的に進めるのではなく 、現場の声を取り入れながら開発を進めたいと考えました。その一方で、開発全体の進行と現場への負担のバランスを考慮し、参画してもらうタイミングは慎重に検討しました。
高良さん:プロジェクトに参画した当初は、開発だけでなく、現場への運用導入も決して簡単ではないと感じていました。それでも、ここをつなぐことが自分の役目だと、強く意識して取り組んでいました。
単に開発側からの指示を現場に伝える のではなく、その先にある開発メンバーの想いや、お客様や現場に届けたい未来像を、自分なりの言葉で伝えることを大切にしていました。そうすることで、 スタッフ一人ひとりが前向きに挑戦できるような“橋渡し役”でありたいと心がけていました。
—開発過程は、どんな気持ちでしたか?
飯田さん:お客様やスタッフのことを第一に考えながら開発を進めてきましたが、リリースが近づくにつれ、「本当に自分たちが考えているとおりに受け入れてもらえるだろうか」 と不安は常にありました。
それでも、開発メンバーは『お客様にとって何が最善か』『現場にとって何が最善か』を何度も議論し、考え抜いて形にしてきたという確かな手応えがありました。
また、開発の過程では、現場の高良さんたちが、変化を前向きに受け止め、自分たちなりに解釈しながら、どうすればもっと良くなるのかを一緒に考え続けてくれました。その存在は、私にとって大きな支えでした。
正式リリース後も、お客様へしっかりと価値を届けられているか、まるで我が子を送り出す親のような気持ちで見守りながら、この仕組みが現場の声とともにさらに成長していくことを願っています。
高良さん:リリース当初、スタッフは慣れないなかでも『どうすればよりよく使えるか』『お客様のためになるか』を考えながら、試行錯誤を重ねてきました。少しずつ現場に根付きはじめ、今では業務の中心を担う存在となりつつあります。
『人にしかできない仕事』に向き合うために

—WEDOPLAYの導入で、どんな変化がありましたか?
高良さん:これまで初回の打合せで多くの時間を費やしていた説明がアプリに置き換わり、お客様は事前に結婚式の全体像を理解されたうえで準備を進められるようになりました。
その結果、プランナーは限られた打合せのなかでも、おふたりが思い描く結婚式のイメージや、大切にしたい想いに、より深く向き合う時間を持てるようになりました。
また、お客様ご自身が楽しみながら情報を確認できるため、やり取りもスムーズになり、これまで以上に安心して準備を進めていただける環境が整いました。
—『システムでできること』と『人にしかできないこと』を分けることが、この取り組みの本質なのですね。
飯田さん:効率化そのものは目的ではなく、あくまで手段です。システムでできること、お客様が担えることは適切に委ねながら、その先にある、プランナーが本来の価値に向き合える状態を追求します。
高良さん:人が想いをくみ取り、形にする。プランナーの醍醐味であるその本質的な仕事により多くの時間を使うために、システムがあります。WEDOPLAYと共に成長することでプランナーの仕事もきっとさらに輝きを増します。
取材・制作:野阪 沙恵子(営業本部 京都・滋賀地区)












